いまや中小企業にも取り組みが求められているSDGs。小さな会社が実践でき、成果を上げやすい方法として「17 パートナーシップ」を取り上げる。活動の展開や広報の仕方などを、事例とともにわかりやすく解説。17の世界的目標、169のターゲット、247の指標から成り、2030年までにこれを達成するために、国、企業、個人レベルで取り組みが求められています。本書は『SDGs経営の教科書』と銘打っていますが、たとえば、17ある世界目標についてそれぞれの意義や取り組みのポイント、展開事例などを網羅的に解説するものではありません。それよりも、副題にある「中小企業でもできる」に重きを置いています。つまり小さな会社でも無理なく取り組めて、成果を上げやすいSDGs経営の手法にしぼった内容です。最初に結論からいってしまえば、中小企業は、SDGsの目標の1つである「17パートナーシップで目標を達成しよう」を活用することで、大きな成果を上げることができる。これが6年以上この活動を続けてきた私たちの実感です。この「成果」とは、設定したゴールの達成であることはもちろんですが、実利、具体的には、売上やビジネスチャンス、リクルーティングや、ブランディングといった、会社が通常の企業活動で獲得を目指しているものです。つまり企業のSDGsへの取り組みは、ボランティアなど本業とは関係ないものではまったくなく、本業と直結する経営手法であり、ヒト、モノ、カネのリソースに限りのある中小企業は、この「パートナーシップ」を生かして目標に取り組むことで、最大限のメリットを得られるのです。本書では、・【第1章】中小企業がSDGsに取り組むべき理由・【第2章】SDGsに取り組むにあたっての事業の考え方・【第3章】パートナーシップの活用の仕方と企画の立て方・【第4章】活動として展開する方法・【第5章】活動を広く認識してもらうための広報活動の方法・【第6章】今後目指すべき方向性について、当社が取り組んだ事例とともにまとめています。本書が、自社でSDGs経営を推進していくときの、お役に立てば幸いです。■著者 藤田源右衛門(ふじた・げんうえもん)エネジン株式会社代表取締役社長株式会社ハネマン代表取締役社長1970年浜松市出身。早稲田大学商学部卒業。公認会計士として監査法人勤務後、(株)ハマネンに1998年入社、2001年代表取締役社長就任。2004年(株)ハマネンと丸善ガス(株)が統合してエネジン(株)発足、現在に至る。社名の「エネジン:ENEGENE」には、人(ジン)とエネルギー(エネ:ENE)の未来を創造(GENEsis:発生、起源、創世紀)する企業でありたい、という意思が込められている。