世の中に、かつての成功体験を忘れることができない人は数多い。とくに中年以降の幹部社員や一時期成功した経営者には顕著に見られる傾向である。それが災いして、多くのビジネスマンは失敗してしまう。まず「うまくいった」記憶を捨て去るところに成功のポイントがあることを教える自己啓発書。本書では、第1章で、成功体験の負の側面を、実在の企業や人物の事例を交えて四つの観点から解説します。第2章では、なぜ成功体験の負の側面が生じてしまうのか、心理学、組織運営の仕組みなどから要因を確認します。第3章は、業界・組織・個人の、成功体験に疑問をもち変革を進めて成功を獲得した事例を紹介します。そして第4章では、成功体験に縛られずに成果をあげ続けるビジネスパーソン、リーダーになるためのポイント、変革を続けられるチーム・組織づくりの要諦を述べます。「強い者が生き残るわけではない。また賢い者が生き残るわけではない。変化できる者が生き残る」。進化論を唱えたダーウィンの話として引用される適者生存の法則は、企業にも個人にも当てはまることとして理解されています。しかし、実際に変化し続けることができる人は多くはありません。その変化を阻む大きな要素が成功体験です。本書を通じて読者の皆様の、成功体験から生じる影の側面が解消され、継続的な成功獲得の一助となれば幸いです。二〇二〇年五月 志水 浩■目次第1章 成功の逆襲 成功体験がもたらす弊害 成功体験の四つのダークサイド 過去の成功にとらわれる「固執の罠」 ほか第2章 なぜ成功体験のダークサイドが生じるのか? ダークサイドを生む五つの要因 心にかけている色メガネ! 「認知心理学」からの要因分析 ほか第3章 ダークサイドを乗り越える“鍵” 「観察」が常識を打ち破る 「社内常識」という制約を外す ほか第4章 ダークサイドの向こうにある未来を創る 前提を疑い、真の目的を問い続ける 批判的思考を習慣化する ほか■著者 志水浩(シミズヒロシ)株式会社新経営サービス執行役員統括マネージャー。1967年、京都府生まれ。1991年、株式会社新経営サービスに入社。経営コンサルタントとして30年近くのキャリアを有している。新経営サービス内の人材開発・組織開発部門、経営支援部門、管理部門の責任者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)