社長!あなたは誤解をしていませんか?誤解 ⇒ 給与が高ければ細かいルールは社員に公開しなくてもよい誤解 ⇒ 小さな会社でも部門ごとに詳細な等級説明書を用意すべきだ誤解 ⇒ 賃金体系はきめ細かく設計した方がよい誤解 ⇒ 定期昇給=年功昇給であり、定期昇給はいまどき時代遅れだ 誤解 ⇒ 賃上げ率は世間相場に合わせていく必要がある誤解 ⇒ 昇格と昇進は切り離して考え、適宜運用した方がよい誤解 ⇒ 一定の要件をクリアしたら自動的に昇格させる誤解 ⇒ 赤字になってしまったなら賞与は出さなくても良い◆会社への不満で社員が退職する以上の損失はないこのところ、指導先のお客様やセミナーに参加した社長からよく耳にすることが2つあります。・思っていたような社員が採れない。それどころか応募すらない・せっかく採用できたものの、定着しない現在の労働市場は、まさに売り手市場。このような状況がこれからも続くことは、人口構成からも予測されます。「この会社は自分とは合わない」「やりたいことができない」など退職理由が社員側にある場合ならいざ知らず、「給与制度についての説明がなく、昇給や昇格の基準がわからない」「自分自身の将来設計が描けない」という会社側に原因があるようでは、その会社の将来はおぼつきません。社員の賃金処遇を決める合理的なルールを確立することは、全ての経営者にとって重要な課題です。シンプルで合理的な給与制度は、社長を社員の賃金決定の苦悩から解放し、社員全体のやる気を高める働きをするでしょう。今日の労働市場に目を向けると、人手不足の問題がますます深刻になるのは必至です。厳しさを増す雇用環境のなかだからこそ、わが社にふさわしい人材の採用・定着を着実に行い、社員がそれぞれに目的意識を持って仕事に集中できる環境づくりを急ぐ必要があります。その中核に位置づけられるのが、社員が安心して働き続けられる合理的な給与制度の確立なのです。本書は、シンプルで合理的な給与制度を確立することの大切さを、分かりやすく伝えることを目的としています。経営者や人事担当の皆さんが、自社の賃金制度を整備・改善し、これから末永く正しい運用を続けていくために、本当に押さえておくべき急所はどこかを会得され、企業の繁栄に繋げていただくことを心より願ってやみません。■著者 大槻幸雄