元全日本仏教会会長/第33代臨済宗妙心寺派管長も歴任された、現代の臨済禅を代表する老師が、ややもすれば「難解」の一言で片づけられがちな禅の言葉を、日常生活などに置きかえ、わかりやすく柔らかなで語り口で丁寧に説明した一冊。人は生まれて死ぬまで、迷惑のかけ通し。迷惑をかけ、迷惑をかけられて、お互い様。人は迷惑をかけずには生きられない。だから、人に支えられ、人に助けられて、ここまで生きてきたことに感謝する。そのご恩をお返しするために、人の役に立つ方法をさがしていく。という、老師の生き方そのものが本書のタイトルとなっております。尚、以下が解説している禅語の一例です。・空と縁―――「なにもない」が「ある」理由・汝、親しく龍潭に至れり―――本当に頼れるのは自分自身・強に逢うては即ち弱―――修行は「バカ」になるためにやる!?・本来無一物―――悩むのはあたりまえのこと・好不惺々―――いい呆け、悪い呆け。気楽に呆けるのに必要なこと■目次 ・1章 許しあう 感謝しあう・2章 自分と向き合う 対話する・3章 人の幸せ 自分の幸せ・4章 自分自身こそ よりどころ・5章 生きること 死ぬこと 一大事と申すは今日只今の心也―――「生きる」と「死ぬ」は常に背中合わせ 浜までは海女も蓑着る時雨かな―――無欲だからありがたい 好不惺々―――いい呆け、悪い呆け。気楽に呆けるために必要なこと 独坐大雄峰―――そばにある大切なものほど気づかない 諸行は無常なり。これ生滅の法なり―――苦しむのは生きている証 六十よりも七十だよ。七十より八十。八十より九十、九十よりは百、 百よりは死んでからだ。死んでからだぞ―――人間の真価は「死んでから」 ■著者河野太通