『トリップアドバイザー』で殿堂入りした小さな宿・この宿に泊まれたことが、旅のいちばんの思い出です・まるで自分の家にいるようで、心からリラックスできました・泊まったのはこれで九回目です。高橋夫婦のことを日本の父母だと思っていますうれしいことに当館のフェイスブックやラウンジにおいてあるゲスト用のノートなどには、宿泊されたお客様からのこんなコメントが並んでいます。そのほとんどが英語など外国語で書かれたものです。私たち夫婦が箱根・仙石原で営んでいる「富士箱根ゲストハウス」の最大の特徴は、外国人旅行客が宿泊客の大半を占めている点です。一九八四年の開業以来、三二年間で七五ヵ国一五万人を超える外国人旅行客に利用していただきました。一五万人の中にはリピーターも数多くいます。客層はおよそ欧米豪から六割、アジア三割、日本人は一割ほど。平均年齢は三五歳前後です。立派な設備や部屋を提供しているわけではありません。箱根という土地柄、館内の風呂はすべて温泉で、露天風呂もありますが、もともと私が育った実家を増改築して始めたやどですから、外観は「ここ、本当に宿?」と思われるほど平凡。全部で一四の客室は畳敷きのシンプルな和室で、トイレと風呂は共有。三二年前に私と妻の二人で創業し、いまは娘と数人のスタッフを加えて運営している宿です。にもかかわらず、世界最大のインターネット旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で、宿泊したお客様から高い評価をいただき、「エクセレント認証」を五年連続で獲得した施設として、「殿堂入り」を果たしました。なぜ殿堂入りすることになったのか。外国人旅行客がリピートするゲストハウスになっていったのか。本書では、三〇年以上にわたって富士箱根ゲストハウスを運営する中で、一五万人に及ぶ外国人旅行客との交流を実践してきた経験を踏まえ、外国人旅行客を迎えるにあたっての心構えや私の考え方をお話しします。■目次・第1章 外国人は何を求めて日本にやってくるのか 四〇〇〇万人の訪日客をどう迎えるか 日本人が知らない日本の魅力 ほか・第2章 なぜ富士箱根ゲストハウスにはリピーターが多いのか・第3章 いかに外国人観光客を地元に迎え入れるか・第4章 「もてなし」を通じた国際交流 「出会い」と「ふれ合い」を楽しむ 宿泊客との交流が生んだ感動体験 ほか■著者 高橋正美