いまも昔も営業職の離職率の高さは企業にとって頭の痛い問題である。新人を雇い入れるコストを考えれば、彼らがしかるべき営業実績を上げてくれなければ大きな損失が生じることになる。1964年に発表された本書は、営業職の資質について、共感力と動因の2つが必須要件であると断じる。共感力とは相手の感情を読み取る能力だが、動因とは自尊心から生まれる「自分なりのやり方で商談をまとめたい、その必要がある」と思う欲求であるという。そして、この両者のダイナミックな関係が相まって優れた営業実績が上がるのだと説く。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2023年1月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。