芥川賞受賞後に、初めて新聞小説に挑んだ『ザボンの花』など1955年から1956年に発表された14編を初出順に収録した一巻。
日本の家族小説の第一人者・庄野潤三の足跡を、初出順の編年体で辿る電子全集の第2巻。
「プールサイド小景」で第32回芥川賞受賞後に、初めて本格的な家族小説の長編として
新聞小説に挑んだ『ザボンの花』など1955年から1956年に発表された14編を初出順に収録した一巻。
「群像」1954年12月号に掲載された「プールサイド小景」が、翌1955年の第32回芥川賞受賞作品となり、庄野潤三の名は一気に文壇に轟くこととなる。
そんな中、日本経済新聞から依頼を受け、本格的な家族小説の長編作品となる『ザボンの花』を1955年4月から8月にかけ、上京後の石神井公園での暮らしを題材に。“緩くて「事件」のない型破りな新聞小説”として執筆する。また、連載が終了した8月には朝日放送を退社し、本格的な文筆生活に入ったのである。
ほか単行本『バングローバーの旅』収録の「バングローバーの旅」「雲を消す男」「兄弟」「薄情な恋人」「ビニール水泳服実験」「緩徐調」「無抵抗」「勝負」「机」、『旅人の喜び』収録の「三つの葉」「旅人の喜び」に加え、「伯林日記」「鵞ペン」を収録
解題は監修を務める日本文学研究者・上坪裕介氏が担当。
付録として、堀文子「ザボンの花」挿絵原画(堀文子作)、長女・夏子の日記等を収録する。
※この作品はカラーが含まれます。