「そこで知り合った子よ。今年のラビットちゃん」
「このダセェ子がですか?」
王都に所在するとある貴族学園の生徒会室で生徒会メンバーであるロイドから開口一番に”ダセェ”と言われたのは、リンドバーグ子爵家の末っ子クララベル。
彼女は致命的に田舎くさかった。
クララベルにはアランという三歳年上の幼馴染であり婚約者がいた。
文通も途絶えたこともあり、婚約者と同じ期間に学園に通いたい一心で「ラビット(飛び級)」として、一年早く入学した学園でアランを探していたクララベルだったのだが、やっとの思いで見つけた婚約者は、見るからに都会育ちでお色気ムンムンな女生徒と熱いキスを交わしていた……。
涙が溢れて止まらなかったクララベルだが、その場に居合わせた生徒会副会長であるヴィクトリアに助けられた。
事情を聞いた生徒会のメンバーは、クララベルが望むのであれば生徒会に入って自分を磨く術を教えてくれると言う。
「私……変われますか? 自信が持てない自分が嫌なんです」
その出会いをきっかけに、”ダセェ”と言われた令嬢は華麗なる変身を遂げる――。
『ダセェと言われた令嬢の華麗なる変身(2)』には「三 お化粧で変身」(後半)~「六 バランティーノ侯爵家の先生」(前半)までを収録