進歩という名の暴力に対する、「知性」の闘い――クィア批評やメディア論における最重要人物、ついに入門書が誕生!【おもな内容】“反解釈・反写真・反隠喩”で戦争やジェンダーといった多岐にわたる事象を喝破した、批評家スーザン・ソンタグ。あらゆる脆さにあらがう、その「カッコよさ」は、しかし生誕から90年を迎え、忘れかけられている。本書は「《キャンプ》についてのノート」で60年代アメリカの若きカリスマとなったデビューから、「9・11事件」への発言で強烈なバッシングの対象になった晩年までの生涯とともに、ソンタグという知性がなぜ読者を挑発し続けるのかを鮮やかに描き出す。自身のマイノリティ性や病にあらがい到達した思想の本質とは。【目次】はじめに第1章 誰がソンタグを叩くのか第2章 「キャンプ」と利己的な批評家第3章 ソンタグの生涯はどのように語られるべきか第4章 暴かれるソンタグの過去第5章 『写真論』とヴァルネラビリティ第6章 意志の強さとファシストの美学第7章 反隠喩は言葉狩りだったのか第8章 ソンタグの肖像と履歴第9章 「ソンタグの苦痛」へのまなざし第10章 故人のセクシュアリティとは何か第11章 ソンタグの誕生終章 脆さへの思想おわりに