あらすじ心を閉ざす教え子のため、栄三は“亡き母の声”を届ける。 クスリと笑えてホロリと泣ける、人情時代小説シリーズ第8弾! 「人はいつか死んでしまうのでしょ……」 九歳にして達観し、心を閉ざす教え子公太郎の行く末を、手習い師匠の栄三郎は案じていた。 友達と遊びもせず、亡き母との思い出に縋って独り海を眺めて過ごす少年は、父の後添いとなった養母の愛情を、無気力という態度でもって拒んでいたのだ。 そんな公太郎のため、栄三郎は亡き母の愛情深き“声”を取り次ごうと妙策を打つ!