【書籍説明】
新選組の小者の忠助は、「闇風」と呼ばれる盗賊だった。
たいていは独り働きだが、時には頼まれて大盗賊の下で働くこともあった。
盗賊の頭ともめて殺してしまい、江戸を離れた。
盗人の足を洗い、行商などをしていたが、創立間もない新選組の小者になった。
昔の仲間に見つかって、忠助は盗人仲間に引き戻されそうになる。
小者の太吉が機転を働かせ、土方歳三に助けを求めた。
その後、忠助は新入隊士の浅沼亨が盗賊仲間の用心棒だったことに気づくが、隊士として精勤しているので黙っていた。
だが、浅沼の様子が、しだいに怯懦になる。
ついに浅沼は「制札事件」で大失敗した。
実は、浅沼は盗人だった前歴をタネに昔の悪党仲間に脅され、攘夷軍資金強盗一味に加わるよう強要されていた。
忠助は浅沼に全て打ち明けるように勧めるが、逆上した浅沼に斬られてしまう。
浅沼は悪党仲間との縁を断ち切ることができるだろうか?
【目次】
雪の宵
闇の風
脅し
引き戻し
仲間
葱鮪鍋
手練れ
出会い
新所帯
間者
凶盗
降格
制札事件
脱走
襲撃
女は薬