あなたの幸を希う以外に何物もない――。鹿児島県知覧の特攻隊基地から飛び立った穴沢利夫少尉。二十三歳で散った法学徒が婚約者・智恵子へ宛てた便りには愛する者への一途な思いと純粋な真情が綴られていた。戦後六十年以上を経て、婚約者が語り尽くした、あの時代の現実とある愛のかたちとは。全面改稿を施したロングセラーの新版。
【目次】
まえがき
第一章 出会い 図書館から戦場へ
第二章 覚 悟 マフラーになりたい
第三章 婚 約 たった一晩の子守唄
第四章 特 攻 あなたをたどる旅
生きる時代は選べない――新潮文庫版あとがき
新版あとがき