海果が一人で始めた小さな海辺の食堂は、その日の朝にとれたての魚介類と、地元の野菜を使ったシーフード料理が大好評。人気俳優の慎がロケに使った店ということも相まって、軌道に乗り始める。しかし、母が残していった借金完済までにはまだまだ道のりは遠い。そんな中、この店ごと買い取ってサーフィンショップにしたいと言う人が現れる。店の存続のピンチに、海果は気が休まることはない。そして、海果の相棒で、しっかり者の愛は、映画に出演し、初恋の予感!? 迷子のサバトラの子猫も店の一員となり、海果の周囲でさまざまな人生が動きはじめる――。誰にでも居場所があり、がんばっている人の背中は、きっと誰かが見ている。温かなまなざしと希望にあふれた再生の物語。