新たな視点で語られていく、美しくて残酷なお姫様たち。
童話「親指姫」と「白雪姫」をベースに、今日マチ子が文章とイラストを担当。
小鳥や魚たちの証言を元に語られていく「親指姫」と、後妻である妃の目線で語られる「白雪姫」。
今日マチ子とやくしまるえつこによって、広く知られてきた童話が、新しい物語として生まれ変わりました。
※本電子書籍はCD付き書籍として発売したものの書籍部分のみを電子化したものです。CDおよび音声データは付属しておりませんのでご注意ください。
白雪は王子にいいました。
「あそこにいるのがわたしのおかあさまよ」
呆然とするわたくしの前に 真っ赤に焼けた鉄の靴がはこばれてきました。
「おかあさま、わたしたちのために踊りをおどってくださいな」
白雪がいうと、音楽がはじまりました。 (「白雪姫」より)