文豪と呼ばれる大作家たちは、悪口を言うとき、どんな言葉を使ったのだろうか。そんな疑問からできたのが、本書『文豪たちの悪口本』です。選んだ悪口は、文豪同士の喧嘩や家族へのあてつけ、世間への愚痴など。随筆、日記、手紙、友人や家族の証言から、文豪たちの人となりがわかるような文章やフレーズを選びました。これらを作家ごとに分類し、計8章にわたって紹介していきます。川端康成に「刺す」と恨み言を残した太宰治、周囲の人に手当たりしだいからんでいた中原中也、女性をめぐって絶交した谷崎潤一郎と佐藤春夫など、文豪たちの印象的な悪口エピソードを紹介しています。文豪たちにも人間らしい一面があるんだと感じていただけたら、うれしく思います。