私たちの生活と切っても切れない関係にある、お酒。愉しく飲む人、浴びるように飲む人、味にこだわる人。お酒の楽しみ方は千差万別ですが、それは名だたる文豪たちも同じだったようです。酒を求めた飲んべえたちが繰り広げるドタバタ劇が楽しい夢野久作「ビール会社征伐」や、酔った時の奇妙な癖をユーモラスに描いた梅崎春生「百円紙幣」、はたまた酒飲みの美学を端正に語る林芙美子「或一頁」まで……。本書では、文豪たちのお酒にまつわるエッセイや短編小説をセレクトして掲載しました。ミステリアスな文豪たちの人間味が溢れる珠玉の15編。ぜひ、今夜の晩酌のお供にお読みいただけますと幸いです。