明治43(1910)年8月29日、大日本帝国は「韓国併合ニ関スル条約」に基づいて、朝鮮半島を領土に組み入れた。世にいう「日韓併合」である。日本は朝鮮総督府を置くと、莫大な予算をつぎ込み、朝鮮半島の近代化に着手した。税制を立て直すために、土地の測量を断行。道路や鉄道などのインフラを整え、内地からの投資を呼び込み、農業中心だった朝鮮の工業化を目指した。公立学校を各地につくり、朝鮮半島の人々の教育レベルの向上に努めた……。日本の朝鮮統治は、太平洋戦争に敗れるまで、35年続いた。その間、日本は果たしてどれだけの金銭を朝鮮半島に費やしてきたのか。そして、その見返りに日本は何を得ることができたのか。日韓併合を金銭面から分析。かつてない併合の姿をあぶり出す。