ロシアによるウクライナ侵攻により、世界で軍事的緊張が高まるなか、「敵基地攻撃能力・防衛能力」「核保有・核共有」「集団的自衛権行使」などをどう考える?安全保障政策と憲法9条との関係は?自衛隊は憲法に明記すべきなのか?自衛隊と憲法の関係を中心に、憲法改正の論点を歴史的に整理した『自衛隊と憲法』の大幅増補版。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシアの武力侵攻の国際法的な評価、憲法9条と日本の防衛の関係、「敵基地攻撃能力・防衛能力」や「核保有・核共有」といった、いま注目されているキーワードなどについての補足を追加。さらにコロナ対策にからめての緊急事態条項や、同性婚についてなど昨今の憲法関連のトピックもあわせて解説。世界に軍事的な緊張が高まる危機的状況のなか、過度な極論に振れることなく、冷静な安全保障議論のための情報を整理する。【目次】序章 憲法改正の手続き第一章 国際法と武力行使──第一章補足 ウクライナ侵攻と国際法第二章 憲法9条とその意義──第二章補足 平和のための規定は憲法9条だけではない第三章 政府の憲法9条解釈──第三章補足 憲法9条と敵基地攻撃能力(反撃能力)第四章 裁判所の憲法9条解釈──第四章補足 憲法9条と核兵器第五章 自衛隊関係法の体系──第五章補足 集団的自衛権行使容認の曖昧さ第六章 2015年安保法制と集団的自衛権──第六章補足 自衛隊員の存立危機事態防衛出動命令無効確認訴訟第七章 自衛隊明記改憲について──第七章補足 専守防衛と集団的自衛権第八章 緊急事態条項について──第八章補足 コロナ対策と緊急事態条項第九章 その他の改憲提案について──第九章補足 同性婚と憲法24条「今回の増補版は、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻を受けたものです。ロシアの侵略行為は、世界中に衝撃を与えました。日本でも、ウクライナへの連帯とロシアへの非難が高まる一方、今回の武力侵攻の国際法的な評価、憲法9条と日本の防衛の関係、「敵基地攻撃能力・防衛能力」や「核保有・核共有」といったキーワードに注目が集まっています。そこで、第一版の記述を一部修正するとともに、各章末に、最新の問題や安保法制後の動きを受けた「補足」を執筆しました」(「増補版まえがき」より)