あらすじ後ろで老高利貸しが何やらお祈りめいた仕草をした。すると、鏡に映った自分が視線を老人のほうに移し、ぎごちなく身動きして、こちらへむかって歩き始めた! その鏡像は鏡から抜けだし、深い悲しみを宿した一瞥を残して、老高利貸しのあとについて去っていった……。巨万の富とひき換えに、悪魔に己れの鏡像を売り渡した一人の大学生の恐怖を、十九世紀初頭のプラハの町を舞台に描く、傑作ドイツ表現主義映画の小説化。