憤激の呪言(ライム)響く国。格差と抑圧に差し込む一筋の光とは。高級・高層ビルが乱立し、加速度的に情報化する都市を「感染するシャーマン現象」が侵食しているのはなぜか。人々の熱い息吹を伝える、現代モンゴルの素描たち。「排除/憑依/反抗」をキーワードに、いまだ知られざる現代モンゴルの深層を明らかにする。シャーマニズム、ヒップホップ、化身ラマ、民族衣装、そしてチンギス・ハーン。現代モンゴルを理解する上で欠かせない「貫く論理」をそれぞれの断片に見出す。グローバル化と呪術化の間で揺れ動くその姿とは。【目次】第1部 グローバル世界を呻吟する1:シャーマニズムという名の感染症2:地下資源に群がる精霊たち3:憤激のライムコラム あるマンホール・チルドレンとの出逢い第2部 社会主義のパラドクス4:秘教化したナショナリズム5:社会主義が/で創造した「民族の英雄」チンギス・ハーン6:呪術化する社会主義コラム:深夜の都市でボコられる第3部 連環する生と死7:シャーマニズム、ヒップホップ、口承文芸8:生まれ変わりの人類学コラム 古本屋のB兄第4部 民族文化のゆくえ9:コスプレ化する民族衣装10:“モンゴル化"する洋装と匈奴服の誕生