あらすじルキアノスは哲人皇帝マルクス・アウレリウス治世下の2世紀後半のローマ時代に活躍した。多数の著作を著したが、独創と構想力のゆたかな作家といわれる。一方そのギリシア語は、きわめて流暢で、しかも平易な、典型的な古典散文といわれる。彼がはたして時世を慷慨する警世家だったか、それとも単に皮肉を並べ知的な逆説を弄する戯画家だったかは、人によって判断を異にするが、その面白さは折り紙つき。本書には「本当の話」「遊女の対話」「悲劇作者ゼウス」など代表作7編を収めた。