「対話」だけで、統合失調症やうつ病がみるみるうちに回復していく――。フィンランドで発祥した「オープンダイアローグ」という心理療法が、近年、注目を集めています。 オープンダイアローグとは、開かれた「対話」による治療のこと。入院や薬物投与はできる限り行わないかたちで、病や障害を抱えている本人とカウンセラーや医師だけではなく、家族を含めた関係者をまじえて、ただひたすらに「対話」をする、という一見すると遠回りのように思えるこのセラピーが、うつ病や統合失調症、引きこもりなどの治療に大きな成果をあげるといいます。 本書は、オープンダイアローグを実践するうえで重要な3つの要素のほか、・「開かれた対話」は、どのように行われていくのか?・オープンダイアローグを行うセラピストには、何が必要なのか? などを、著者によるわかりやすい解説とマンガをとおして紹介します。 今、注目を集めるオープンダイアローグのもっともわかりやすい入門書であり、もっとも役に立つ実践書です。【目次】prologue オープンダイアローグという奇跡 [Story0] 出会い 01「治る」とはどういうことなのか 02 オープンダイアローグという奇跡Part1 オープンダイアローグの要素1 ~「対話主義」と「対等性」~ [Story1] 対話とは 01「対話」はどのようにして始まるのか? 02 対話とは? 03「対等性」とは何か? 04 対話の原理Part2 オープンダイアローグの要素2 ~「多様性」「ポリフォニー」~ [Story2] 多様性が維持される場 01「多様性」「ポリフォニー」とは何か? 02「平等」は「対等」? 03「ポリフォニー」と「多様性」Part3 オープンダイアローグの要素3 ~リフレクティング、不確実性への耐性~ [Story3] リフレクティングの効果 01 カップルセラピー・グループセラピーにおけるオープンダイアローグ 02 リフレクティングの効果を高める 03 不確実性への耐性Part4 オープンダイアローグの可能性 [Story4] 非言語による対話 01 非言語による対話 02 なぜ、オープンダイアローグが有効なのか 03 オープンダイアローグの可能性