【内容紹介】■日常的に起こりやすい24のケースコンプライアンスに関して重要なポイントは、1ルールをしっかりと知ってもらうこと、2それを守る組織をつくること、この2つです。本書ではとくに、2を念頭に置き、組織において間違った行為をしてしまうメカニズムを、上司と部下の会話によって再現しています。そして最大の特徴は、「上司が問題行動を部下に要請する場面」についてのケースを中心に置いていることです。コンプライアンス対策本の多くが法に無知な従業員が起こすという前提になっていますが、実は会社を窮地に陥れるような企業不祥事は上からの圧力によるものが多いのです。本書は様々な企業のコンプライアンス問題に対処してきた中でその裏側を熟知した著者が、ありがちなコンプライアンス問題を上司と部下とのミニストーリーで解説していきます。1ケース見開き2ページの中で「ミニストーリー」「その違法行為の罰則等」「防止のための対策」を簡潔に解説します。汎用的なケースばかりですので、社内のコンプライアンス研修テキストにも使えます。【主な目次】第1章 知らなかったでは済まされないコンプライアンス問題1 コンプライアンス問題はどんな状況で起こるのですか?2 コンプライアンス問題が増えているように思えるのはなぜですか?3 この本の特徴は何ですか? どのように使えばよいですか?第2章 知らないとマズイ職場の不祥事24のケースケース1 15 年以上続いているデータ偽装[虚偽表示(不正競争防止法)]ケース2 他社の企画書のパクリ使用[著作権侵害(著作権法)]ケース3 毎年続続いている架空取引[有価証券報告書の虚偽記載(金融証券取引法)]ケース4 ライバル会社との小さな談合[不当な取引制限(独占禁止法)]ケース5 赤字回避策としての購買要請[金融証券取引法違反目前の危険な行為]ケース6 公的補助金の不正受給[詐欺罪(刑法)]ケース7 経理部長の使い込み[業務上横領罪(刑法)]ケース8 無理やりつくった増収増益[粉飾決算目前の危険な行為]ケース9 社長の不透明なお金の使い方[特別背任罪(会社法)]ケース10 クレーマーからのたび重なる言いがかり[脅迫罪、恐喝罪等(刑法)]ケース11 「議事録を2通つくれ」との上司の指示[業法違反、私文書偽造等罪(刑法)]ケース12 取引先との小さな接待の果て[詐欺罪、業務上横領罪、背任罪(刑法)]ケース13 外国政府がらみの取引の問題[外国公務員贈賄罪(不正競争防止法)]ケース14 取引先への発注後減額の要請[発注後減額(下請法)]ケース15 出張先の写真のSNS へのアップ[情報漏れ(違法行為ではない)]ケース16 未公開情報をもとに株式売買の画策[インサイダー取引(金融証券取引法)]ケース17 根拠のない「No. 1」の広告表示[優良誤認表示(景品表示法)]ケース18 同僚の性にまつわる噂話[環境型セクシャルハラスメント(民法、労働契約法)、名誉毀損]ケース19 形骸化した月45 時間以内の残業[サービス残業(労働基準法)]ケース20 副業先からの情報漏洩[営業秘密の漏洩(不正競争防止法)]ケース21 顧客データの用途制限外の使用[個人情報の目的外利用(個人情報保護法)]ケース22 形骸化した法律を無視[意味のない古い法律(業法等)]ケース23 秘密裡に進められる人減らし[パワーハラスメント(パワハラ防止法)]ケース24 元請けからの販売要請[優越的地位の濫用(独占禁止法)]第3章 経営者・管理者のための職場の対策ガイド1 現場でコンプライアンス意識を高めるために必要なこととは?2 コンプライアンス問題の予防には本部は何をしておけばいい?3 コンプライアンスマインドを浸透させるためにすべきこととは?