あらすじ矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第八巻。本巻は「小石川区」で、後楽園を中心に、徳川頼房、水戸光圀(黄門)にまつわるかずかずのエピソードからはじまり、将軍綱吉の生類憐みの令や犬の国勢調査などを記し、そのあと坂の多い小石川を探訪、切支丹屋敷の記述から切支丹殉教史を詳述、鳶坂、胸突坂とたどったあと、白山下に出て、幕末から大正期まで多くの学者を輩出した箕作阮甫の業績を記す。伝通院、白山御殿、小石川植物園を経て、本念寺ゆかりの大田蜀山人の奇才を記して巻をとじる。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「大橋の網引」である。