あらすじいちど恥辱を与えられた吉岡清十郎と雌雄を決することは、武蔵の宿望だったが、それがかなう機会がついに訪れた。慶長十年正月、場所は京都・蓮台寺野。この戦いに勝てば、武蔵の名は京畿にとどろくことは間違いなかった。武蔵は勝ったが、心は空虚感に満たされた。その後、当然ながら、武蔵は吉岡一門からの執拗な追撃を受けることになった。