あらすじディクスン・カーの、ヘンリー・メリヴェール卿を探偵役とするシリーズ第三作。この作品も一種の「密室の殺人」を扱っているのだが、本書に取り上げられた「密室」はちょっと毛色が変わっている。一面に雪の降り積もった銀世界、そこにぽつんと立てられている「白い修道院」という名の離れ家で殺人は起こる。だが、犯人の足跡は全くない。あるのは死体を発見した者の足跡だけ。この人物は犯人ではあり得ないのだ。大自然が構成した密室の謎を、H・Mはいかにして解決するのか? 江戸川乱歩が密室を越えた不可能興味と絶賛した作品。