あらすじ「仏《ほとけ》喜三郎」「桐の極印」「浮世絵師」「お舟お丹」「針妙《しんみょう》の手柄」の5編を収める平次シリーズ続編。「親分、変な奴が来ましたよ」ガラッ八の八五郎は、長《な》んがい顎《あご》を鳶口《とびぐち》のように安唐紙へ引っ掛けて、二つ三つまたたきをして見せました。「お前よりも変か」なんという挨拶でしょう。平次はこんなことを言いながら、日向《ひなた》にねそべったまま、粉煙草をせせっているのです…「桐の極印」より。