「おれにとってはおまえが正義だ」
13年前に球界を追放された先輩が不審死を遂げた。
なぜ今になってこの世を去らねばならなかったのか――
20年ぶりのリーグ優勝を目前にするプロ野球・横濱セイバーズ。
その快進撃の立役者である投手コーチ二見里志は、抑えの新田隆之介らの疲労管理に頭を悩ませ、リリーフ陣を酷使したがる辻原監督と衝突が絶えない。
そんな里志のもとに、突然の訃報が届く。里志の現役時代の恩人であり、ある“罪”の発覚以来、球界を追放されていた盟友・壇野晋が亡くなったという。
当初、自殺と思われていた事件は殺人と発表され……。
独自のコーチ哲学を貫くプロ野球の投手コーチ二見が
球界の闇、盟友の無念に迫るミステリー