「どうぞ安心してお待ち下さいまし。なにせ私、戦には多少の心得がございますの」
若き国王レイモンド二世を支える王妃、東方の大国・釧から嫁いできた雪麗ことシュリーはその才能と知識を活用してアストラダム王国の統治に尽力していた。
そんなある日シュリーを連れ戻すために使わされた釧の皇太子である兄、雪紫鷹が来訪する。
紫鷹は皇帝が決めたシュリーの許婚だという金黙犀とともに、彼女を連れ戻すまで滞在すると言い出して……?
お家騒動に追われるなか、アストラダム国内に帝国側から戦の火の手が迫っていた――。
「陛下との甘いひと時を邪魔されて、私とてもとても腹が立っておりましてよ。不届き者どもを片付けてすぐに戻りますわ」
西洋の国王に嫁いだ規格外な中華風姫君の異国婚姻譚、動乱の第二幕、開幕!
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