「貴様 男は抱けるか!?」1945年1月――。海軍航空隊兵舎では、月に一度堂々と酒宴を開いていい日がある。夜も深まるなか、そこでは徐々に新兵たちへの“可愛がり”が始まっていく――。新人整備兵・塚本太郎もまた例外ではない。彼はひとよりも大きい男根をもって諸先輩方を笑わせてきた。そんな酒宴も終わった深夜、ある男が声をかけてくる。「貴様 何回くらい後家さんを抱いた」男の名は橋内和。戦闘機の運転がべらぼうにうまい皆のあこがれの中尉。何故、声をかけられたのか戸惑う中、さらに続く言葉に――。葛藤のはざまで呼応する心と身体――。特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、至上の第二夜。