没落寸前の男爵令嬢・アリーシャは、父親に命じられて結婚相手を探しにデビュタント以外で初めての夜会へ参加した。
その美貌から男性たちに囲まれるアリーシャだが、そのせいで他のご令嬢から絡まれてしまい、ひどく汚れたドレスのまま逃げこんだ中庭で侯爵家のエヴァルドに助けられる。
ドレスが汚れていたままでも縁談を取り付けるために残ろうとするアリーシャに、エヴァルドは溜め息を吐きながらも、上着を貸して家まで送り届けてくれた。
その翌日、たくさん申し込みがあった中、なぜかエヴァルドからも破格の条件で結婚の申し込みが来ていた。
父が飛びつくのも必然。
あれよというまに結婚し、夫となったエヴァルドだが、なぜか対応が冷たく、いつも突き放すようなことばかりを言ってくる。
そんな結婚生活に限界を感じたアリーシャは、ある日書庫にあった本から『相手の気持ちがわかるおまじない』を試してみることに。
するとエヴァルドの背後に、アリーシャを溺愛する文字が見えるようになった。
ええっ!? エヴァルドってただの口下手で照れ屋なだけだったの?
その日から生活は逆転し――。
『口下手旦那様から「妻が可愛すぎる」という文字が見えるようになりました(2)』には「第四章 『本当』の気持ちが知りたくて」を収録