幼馴染でもある侯爵家の嫡男ハワードの婚約者は、ミュリエルの実姉であった。
ある日突然姉とハワードは破談となり、姉は急遽第二王子に嫁ぐことになったという。
さらに、王子に婚約者を奪われたという侯爵家への醜聞を避けるため、父は姉の代わりにミュリエルに嫁ぐよう告げたのだった――。
しかし、ミュリエルは幼い頃から兄のように慕い、姉を愛していたハワードとの結婚なんて絶対に嫌だと逃げ出そうとしたが、タイミングよくハワードと会ってしまう。
どうやら彼は、無理矢理自分と結婚させられるミュリエルを心配して来てくれたようだ。
彼の優しさに、ミュリエルは結局ハワードとの結婚を受け入れたのだった。
「俺はもう、きみの兄ではない。夫だ」
結婚したとたんそう告げてきたハワードに夜毎情熱的に愛されるミュリエルは、止まらない快感に戸惑いつつも徐々に彼に惹かれていく。
しかし、彼を好きになるにつれてまだ姉を忘れられないのではという不安が高まり、彼の気持ちを知るのが怖くなってしまう。
そんな時に出席した夜会で、第二王子と結婚した姉が気に入らない令嬢たちから、驚愕の事実を知らされた――!?
不幸な出来事から夫婦になった二人の、不器用で真っ直ぐなラブストーリー。
作者より
姉の婚約者であった男性と結婚する、というなんとも気まずく、この結婚上手くいくのか?
と思われる始まりですが、ヒロインもヒーローも強くて優しいので、シリアスどろどろストーリー!
……にはならず、無事にハッピーエンドを迎えます。
安心してお読みください。
『お姉様の婚約者と結婚することになりました(1)』には「第一章 姉の婚約者」~「第三章 縮まる距離」(前半)までを収録