【内容紹介】
激しさを増すテクノロジー「暴走と悪用」との闘い。
ビル・ゲイツが最も信頼を寄せる“マイクロソフトの守護神”がその知られざる舞台裏を語る!
新型コロナの感染者接触追跡アプリの活用が世界中で検討されているが、デジタル監視の強化やプライバシーの侵害に結びつくことも懸念されている。デジタル技術は使い方次第で便利な道具にもなり、人を傷つける武器にもなるのだ。近年、テクノロジーの負の側面を無視して突き進む企業に向けられる目は年々厳しくなっている。エドワード・スノーデンによるアメリカ政府の「大量監視システム」、米大統領選を揺るがしたケンブリッジ・アナリティカによるフェイスブックデータ無断収集などを通じて、GAFAをはじめとするテクノロジー企業への信頼が大いに揺らいだ。この信頼を取り戻すためには企業自らが行動を起こさなくてはならない。人権や国益を守るための適切な規制とは何か。AIをモンスターにしないためには何が必要か……。20年前、マイクロソフトの独禁法裁判の矢面で戦った著者が、テクノロジー企業の倫理的責任、課題、挑戦について、スパイ映画を思わせるディープなエピソードを交えながら縦横無尽に語る。理系文系にかかわらず、テクノロジーの開発、規制、そして利用にかかわるすべての人が抑えておくべき論点。
【著者紹介】
[著]ブラッド・スミス(Brad Smith)
マイクロソフトのプレジデント。同社の最高遵法責任者(チーフコンプライアンス オフィサー)。56カ国1400人以上の知財、法務、広報部門のプロフェッショナルを統括し、各国政府機関やIT業界の企業との間で、競争法や知財関連の交渉の陣頭指揮を執る。また、プライバシー、セキュリティ、移民、教育関連の政策決定においてマイクロソフト社内およびIT業界において指導的役割を担ってきた。企業に所属する法律家で世界的に最も有名な1人。2013年には、National Law Journal 誌の「米国で最も影響力のある法律家100人」に選出された。Netflix 社外取締役。プリンストン大学を主席で卒業(国際関係論・経済学)。コロンビア大学法学部で法学博士号を取得。
[著]キャロル・アン・ブラウン(Carol Ann Browne)
マイクロソフトの広報担当シニアディレクター。サンマイクロシステムズ、バーソン・マステラーなどでの勤務を経て、2010年にマイクロソフト入社。アリゾナ州立大学ウォルター・クロンカイト・スクール・オブ・ジャーナリズム卒。ブラッド・スミスとともに、マイクロソフトのサイトにおけるブログToday in Technology のほか、著作、ビデオなどを手掛ける
[訳]斎藤栄一郎(さいとう・えいいちろう)
翻訳家・ライター。訳書に『イーロン・マスク 未来を創る男』(アシュリー・バンス著、講談社)、『ビッグデータの正体』(ビクター・マイヤー=ショーンベルガー著、講談社)、『センスメイキング』(クリスチャン・マスビアウ著、プレジデント社)、『小売再生』(ダグ・スティーブンス著、プレジデント社)、『データ資本主義』(ビクター・マイヤー=ショーンベルガー著、NTT出版)などがある。