「うまい、はやい、安い」といえば、牛丼。
給料日が迫った繁華街の昼、多くのサラリーマンが牛丼屋に
駆け込む姿は、今や日常の見慣れた光景である。
日本人の生活に浸透する庶民の味方といえる牛丼。
しかしながら、私たちのしらないところで
「日本で牛丼が食べられなくなる日が来る」という動きが現実化しつつある。
その流れをつくっているのは、リーマンショックの後、
息を潜めたかにみえた「マネー資本主義」。
このグローバルマネーが次のターゲットに選んだのは、「牛肉」だった。
世界的な牛肉争奪戦の裏で進行する、知られざる動きとは一体何なのか。
『里山資本主義』『里海資本論』の著者が、「強欲化する世界」に迫る渾身の1冊。
【著者紹介】
井上恭介(いのうえ・きょうすけ)
NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー
1964年生まれ。京都出身。87年東京大学法学部卒業後、NHK入局。報道局・大型企画開発センター・広島局などを経て、現職。
ディレクター、プロデューサーとして、一貫して報道番組の制作に従事。
主な制作番組にNHKスペシャル「オ願ヒ オ知ラセ下サイ~ヒロシマ・あの日の伝言~」(集英社新書から『ヒロシマ 壁に残された伝言』として書籍化)
「マネー資本主義」(新潮文庫から同名書籍化)「里海SATOUMI瀬戸内海」(角川新書から『里海資本論』として書籍化)などがある。
広島局で中国地方向けに放映した番組をまとめた角川新書の『里山資本主義』は40万部を超えるベストセラーに。