【内容紹介】
『どうする家康』をより面白く、勉強や仕事にも役に立つ!
とりたてて秀でた能力の持ち主でもなく、すぐカッとする気性の持ち主で、しかも六歳から十九歳まで他家の人質という困難な状況下で育った気弱な徳川家康が、なぜ天下をとったのか──。
本書は、その要因を、家康の「学び方」、とりわけ「真似(まね)び方」にあった、と狙いを定め、そこにスポットを当てて探ってみました。すなわち困難な境遇の中で、家康はどのように考え、どんな学びを得て、どんな方法で自らを成長させていったのか、というプロセスを丹念に描いています。
さらに家康がとくに熱心に勉強した、武芸、健康、兵法、儒学、歴史など、その「勉強家」ぶりとその成果も紹介しています。
変化が激しく、先が見通せないのは現代も戦国時代も同じです。本書には、あなたの日ごろの勉強や仕事に役に立つ自分で自分の実力を向上させるための知恵が詰まっています。
【著者紹介】
[著]加来 耕三(かく・こうぞう)
歴史家・作家
1958年、大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科卒業。同大学文学部研究員を経て、現在は歴史家・作家として、独自の史観にもとづく著作活動を行う。内外情勢調査会、地方行財政調査会、政経懇話会、中小企業大学校などの講師も務める一方、テレビ・ラジオなどの番組監修・構成、企画、出演など多方面で活躍する。現在、BS-TBS「関口宏の一番新しい中世史」(毎週土曜昼12時)に出演中。
主な著書
2023年に作家生活40周年を迎え、これまでに刊行した作品は400冊を超える。近著に、『偉人たちの決断 新たなる道を拓いた有名・無名28人のものがたり』(戎光祥出版)、『家康の天下取り 関ケ原、勝敗を分けたもの』(つちや書店)、『日本史を変えた偉人たちが教える 3秒で相手を動かす技術』(PHP研究所)、『鎌倉幕府誕生と中世の真相 歴史の失敗学2──変革期の混沌と光明』(日経BP)などがある。
【目次抜粋】
・みんなが知っている家康像は史実とは異なる
・祖父、父の二代を襲った悲運
・稀代の軍師から何を学んだのか
・『吾妻鏡』を愛読し、源頼朝を尊敬する
・「仇を報ずるに恩を以てする」
・三河武士の忠誠の背景
・桶狭間の戦いで見せた「律儀者」の顔
・生来の気性が招いた生涯最大の惨敗
・武田信玄から学んだ「兵法」三つの極意
・敗北の貴重な経験を子々孫々までの戒めに
・天下人へと猛烈なスピードで駆け上がる信長に学ぶ
・家族の生命か、徳川家の存続か
・長年の宿敵にして師・信玄の遺臣を召し抱えた理由
・自分に敵対した家臣を懐刀に
・「先手を打ったほうが負け」秀吉と家康の我慢比べ
・鉄の結束といわれる徳川家臣団の本当の姿
・小田原でもなく鎌倉でもなく、なぜ家康は江戸を選んだのか
・豊臣家中を二分し、一方に乗れ
・十万の兵を結集させた三成の構想力
・小山評定で見せた家康のしぶとい根回し力
・臣下が主君を討つことは正しいか誤りか
・「学びの達人」家康が遺した最大の失敗
・家康を人使いの達人にした究極のテキスト『貞観政要』
・「我一人の天下とは思うべからず」