銀色の髪とすみれ色の瞳を持つ少女クレアは、北欧にある炭鉱町の総督令嬢として幸せに暮らしていた。だが突如、公爵家への謀反の疑いをかけられ、父の命は断たれてしまう。
父の部下であった男爵の家に引き取られたクレアは、使用人として虐げられる日々を送っていた。そんな中、代替わりしたという新公爵から都での労働を命じる通達が炭鉱町の各家に届いた。男爵夫人は実の娘を差し出すことを嫌がり、代わりにクレアを派遣することにしたのだった。
都で毎日真摯に勤めていたクレアは、ある日、川で溺れている子犬を助けたのをきっかけに見目麗しい男性と出会う。
「――おまえ、外地から来た者か? 名はなんという?」
高貴な雰囲気を漂わせる金髪碧眼の彼は、それからもなぜかクレアのことを気にかけてくれて――。
北欧を舞台にした純白のシンデレラ・ストーリー。