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峠越え

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元禄三(一六九〇)年七月、深川冬木町の裏店に住む女衒の新三郎は、仕事の不始末から莫大な借金を背負うことになった。その返済のため、重い足取りで向かった江の島の賭場で、運命的な出逢いを果たす新三郎と壺振りおりゅう。その偶然が、新三郎の人生を大きく変えることになる。二人で新たに人生をやり直すべく、おりゅうが考え出したのは、江島神社の裸弁天を江戸へ持ってきて公開する「出開帳」だった。成功すれば何千両もの拝観料が手に入り、堅気に戻れるのだが……。次から次へと押し寄せる難問、問われる新三郎の器量とおりゅうの知恵。乾坤一擲の大勝負の首尾やいかに。おりゅうに美質を磨かれ、度重なる試練にも鍛えられ、一歩一歩登っていく新三郎。手に汗を握るハプニングの連続に一喜一憂しながら、気がつくと二人と一緒に人生の峠越えをしている気分になる。様子のいい登場人物たちの温かい真心と共に、爽やかな余韻が胸に残る傑作時代小説。
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あらすじ

元禄三(一六九〇)年七月、深川冬木町の裏店に住む女衒の新三郎は、仕事の不始末から莫大な借金を背負うことになった。その返済のため、重い足取りで向かった江の島の賭場で、運命的な出逢いを果たす新三郎と壺振りおりゅう。その偶然が、新三郎の人生を大きく変えることになる。二人で新たに人生をやり直すべく、おりゅうが考え出したのは、江島神社の裸弁天を江戸へ持ってきて公開する「出開帳」だった。成功すれば何千両もの拝観料が手に入り、堅気に戻れるのだが……。次から次へと押し寄せる難問、問われる新三郎の器量とおりゅうの知恵。乾坤一擲の大勝負の首尾やいかに。おりゅうに美質を磨かれ、度重なる試練にも鍛えられ、一歩一歩登っていく新三郎。手に汗を握るハプニングの連続に一喜一憂しながら、気がつくと二人と一緒に人生の峠越えをしている気分になる。様子のいい登場人物たちの温かい真心と共に、爽やかな余韻が胸に残る傑作時代小説。

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