この本はいわゆる「子育て論」「夫婦論」ではない。ある「事件」をきっかけに、真剣に子育てに取り組むようになった父親が、育児を通して悩んだこと考えたことを素直に綴ったエッセイである。今、子供たちをめぐる環境は、大きく変わってきている。特に核家族、共働き家庭が増えてきたことの影響が大きい。そんな中、親たちはどのように子供を育てたらいいのかを真剣に悩み、考える「新しい時代」がきたと著者はいう。「父性の復権」が叫ばれて久しいが、母親たちが密室での孤独な子育て、または仕事と育児の両立に悩み、苦しんでいる今、まさに父親参加の育児が求められている。本書では、新しい時代にあった夫婦関係、育児のあり方を考えており、読者のヒントになるようわかりやすく16の章にまとめられている。「友だち夫婦」がこれからのキーワードだという。ベスト・パートナーと「ふたり」で取り組む子育てがいかに大切かを考えさせられる。