官僚主義、形式主義、瑣末主義等々の無数の欠陥を持っていた、史上もっとも日本的な巨大組織・日本陸軍。この極めて厳格な組織のなかにあって、上官に迎合せず、部下に高圧的にもならず、ゆえに多くの部下から聖将と慕われた軍人。それのみならず、戦えば必ず作戦目的を達成した常勝の軍人――それが今村均大将であった。組織のなかでどのように生きていくかは、現代人にとっても最大の問題である。本書は、その組織を美しく賢明に生き抜き、そして成功するための英知を、今村大将の膨大な回顧録のなかから探る「異色の人物組織論」である。「こんな上司が欲しかった」と誰にも感じさせる“本物のリーダー”の生き方とは何か。“本物のリーダー”の資質を今村大将の回顧録から読み解く一冊である。