世界の人々が日本を訪れてまずびっくりするのが、鉄道の発着時刻の正確さ。また日本人は、生活で鉄道を使う人の数も世界のトップクラス。日本が「世界一の鉄道大国」と言われる所以である。そんな鉄道の歴史には、実はあっと驚く意外なエピソードがたくさんある。たとえば、いま普通に見られる女性専用列車は、実は大正元年に始まっていた。しかも女子学生への痴漢対策という理由で! また、いま太平洋の海岸沿いを走る東海道線は、はじめ中山道の山中を走る計画だった。それが消滅した原因はなんと清仏戦争にあった! さらに、いま千葉の新京成線は不自然なカーブが多いことで有名だが、その理由は旧日本陸軍が鉄道敷設の演習をした名残だから。このようなエピソードとともに鉄道の歴史を追っていくと、日本の近現代史をまた違った一面から知ることができる。また、日本人がいかに鉄道と切っても切れない深い関係にあるかが自然に納得できる。