日本にこんな絶景があったなんて……。苔むした岩肌をしっとりと濡らしながら水が滴り落ちる幽玄の世界が広がる由布川峡谷。東山魁夷の絵のモデルともなり、静かな水面が鏡のように周囲の木々を映し出す御射鹿池。ピラミッドを思わせる、石垣が積み上げられた遊子水荷浦の段畑。世界三大土柱のひとつ、自然が創り出した荒々しい芸術、阿波の土柱。まるで鳥になったような気分で渓谷美が堪能できる小安峡は、紅葉に彩られた秋、緑深い夏、雪に覆われた冬、それぞれにまったく違う表情を見せてくれる。日の出、日の入りの時間に見えるダイヤモンド富士、朝焼けに染まる赤富士、湖面に映る逆さ富士、時間帯によって別の表情を見せてくれる富士山。日本人なら一度は見ておきたいとっておきの風景を、二人の風景写真家が厳選。