見物料を取って競技を見せる、現代につながる「スポーツ興行」の始まりは、何と、日本の江戸時代に行われていた、勧進相撲だった。日本人は、スポーツをビジネスにするという、先見の明があった。しかし、現在では、欧米諸国に大きく後れを取ってしまっている。たとえば野球。アメリカのメジャーリーグ選手の平均年俸は5億円であるが、日本のプロ野球1軍選手では、6500万円である。ここまでの差は、どこから生じているのか。また、アメリカで最も人気のあるプロスポーツであるアメフトの、NFLに所属するチームの経営は、シーズン開始前から、全球団黒字が確定している。それはなぜなのか……など、ビジネスノウハウとして、日本のスポーツビジネスには、これからの課題が山積みであるようだ。本書では、東京大学出身のプロ野球選手として有名な著者が、選手経験、球団経営経験、留学、現地視察経験など、多彩な視点から、今後の成功法則を考える。