鍵山秀三郎の周りには、なぜ人が集まるのか? 彼の「美学」とは何か。東日本大震災のとき、被災された方々は、秩序を失わず他者への配慮をし続けた。一つのおにぎりを手に入れるために、列を乱さず整然と並び、そのおにぎりを分け合ったり、自分も必要な毛布を人に譲ったなどの美談は、枚挙に暇がない。自身の命を捧げて、多くの人びとの生命を救われた方も大勢いた。その姿は、世界中の人から称賛された。これこそが日本人の「美学」である。いまが、日本人の美学を取り戻す絶好のチャンスである、と著者は言う。そして、その「美学」の生きたお手本として推奨するのが、「掃除の神様」鍵山秀三郎である。長年、彼と接してきた著者が、鍵山の生活全般にわたる「美学」を紹介する。「鍵山本人にすべてお目通しいただいた内容である。しかもそのほとんどは、私自身がその現場にいた内容ばかりである。……貴重なエピソード集だと自負している」