グールドがデビューした一九五五年を境に、世界のピアニズムは明らかに変貌した。一九世紀ロマン派を象徴するような詩情豊かな奏法とは一線を画し、さりとてチェンバロ奏法や古楽復興ムーヴメントとも方向性を異にするピアニスト、それがグレン・グールドであった。本書は、グールド以降、ピアノ音楽を革新した32人のピアニストを取り上げ、グールドの演奏との比較を通じて、ピアノ演奏の最前線を紹介する。登場するおもな曲・バッハ「ゴルトベルク変奏曲」「パルティータ」「フランス組曲」・ベートーヴェン「ピアノソナタ第14番《月光》」「ピアノソナタ第17番《テンペスト》」「ピアノソナタ第29番《ハンマークラヴィーア》」「ピアノソナタ第30~32番」・モーツァルト「ピアノソナタ第10番」「ピアノソナタ第11番《トルコ行進曲付》」・ショパン「ピアノソナタ第3番」・ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」