あらすじ「がまん」と聞くと私たちはつい、手足を縮めて甲羅のなかにもぐっているカメの姿を思い浮かべます。身を守ろうと小さくなって、硬い硬い殻のなかに閉じこもっているカメ。しかしその姿は、ほんとうに意味のある「がまん」を表すものとはいえません。むしろ一番つまらない、後ろ向きの「がまん」です。「がまん」には、いくつもの種類があります。ほんとうに意味のある「がまん」とは、子どもたちがそれを身につけることで、生きることがもっと楽しくなる「がまん」です。いま、子どもの「生きる力」が衰えた、と心配する声がほうぼうから上がっています。その大きな原因のひとつは、子どもたちがほんとうに役に立つ「がまん」を身につけていないからだ、と私たちは考えています。