65歳を迎えたとき、脳萎縮症に出合った著者は、それまでの生活を一変した。大脳生理学者の第一人者として一日中研究に没頭し、夜は学生たちと共に酒盛りに明け暮れる――。こんな生活が20年間続けば医者でなくとも尋常でいられるはずがない。このままでは、ボケ街道まっしぐらである。そこで一年間の断酒を決行し、ジョギング、水泳、ウオーキング等々エクササイズを始め、食生活にも気を配った。現在喜寿を過ぎ、同世代より若いといわれ、毎日を快感と共に暮らしているが、実践している健康法とはいかなるものなのか。人間は他の生き物と同様に老いていくものではあるが、そのスピードを遅らせることはできるはずである。知らず知らずのうちに、あるいは意識的に脳と体を鍛え、その若さを創り守る方法を紹介する。