波打つ〈森〉を彷徨いつつ、超実存に向かって――『知の技法』の編者として知られる著者が、長年取り組んできたこのテーマを、さらにその先へ進める。 「存在とは何か」――この問いを量子力学的な波動論、あるいは数学の複素数論と結びつける方向へチャレンジしようとしました。(中略)それぞれの特異な個人の「存在の冒険」に問いかけるという、わたしのこれまでの仕事の中核に秘められていた問いに、正面から、向かいあってみようとした。(中略)深い溝に、まるで「丸木橋」のように、ひとつの「橋」を渡してみようとしたのです。(はしがきより) 〈本書の構成〉序章 知を通して世界を愛す 第1章 「存在とは何か」が浮上する歴史的界域 第2章 実存の彼方を目指して 第3章 ファンタジック存在論 第4章 四元的世界観へ 終章 コーダ、〈幹〉ではなく