特集1は 〈世界を変える「日本の知」〉。新型コロナウイルスのパンデミック、ロシア・ウクライナ戦争は、依然として地球上の多くの国々に昏(くら)い影を落とし、世界的なインフレもいまだ終息が見えないままだ。民主主義や資本主義の矛盾の噴出も含め、現代文明が行き詰まりを見せるいま、西洋近代の文化を吸収しつつ、欧米型とは異なる発展を遂げてきた日本なればこそ、世界へ向けて発信できる「知」があるはずだ。日本が世界に発信するべき価値観を問う山極壽一氏、「物魂電才」に日本企業の勝機を見出す御立尚資氏と安宅和人氏、東京医科歯科大学との統合を発表した東京工業大学の益一哉学長、そして世界中で人気を集める作家の吉本ばなな氏など、各分野で活躍する識者が「日本の知」の可能性を考える。特集2は 〈東アジアの地殻変動〉。中国のいわゆる「ゼロコロナ政策」に反発する市民の抗議デモや、2022年11月の台湾統一地方選の結果などをふまえて、わが国の具体的な安全保障政策を問う。民主主義の多様性を説くエマニュエル・トッド氏や、主演映画「ファミリア」が公開される役所広司氏のインタビューも掲載。