あらすじ石田三成の家老・島左近と、上杉景勝の家老・直江兼続は、会津征伐を企てた家康を、東西で挾み撃ちせんとする。「このまま天下を内府のものにさせるわけにはいかぬ」勝機をうかがう二人。しかし三成は左近の策を容れること少なく、左近の徒労感は深まる。そして遂に徳川が動き出す・・・・・・。本書は、家康挾撃策をめぐる二人の智将の駆引を描く表題作ほか八編と、四編の歴史詩を収録。人間の悲哀・滑稽さを慈しみつつ、戦国英雄たちの人間像を奥行き深く描き出す。