今号の特集は2本立て。特集1は「次代の論客、日本への提言」。新型コロナウイルスの感染拡大から早くも2年が経った。そしていま、世界はウクライナ戦争で大きく揺れている。明日には何が起きているかわからない、まさに不透明な世界だといえる。そんな時代において、私たちはいま何を問うべきなのか。その議論の中心にいるべきなのは、これからの日本を背負う世代のはずだ。本特集では次代を担う10人の識者が、政治や外交、資本主義、デジタルや地方などさまざまなテーマから、5年後、10年後の日本の姿を問う。30代が考えるわが国の未来に耳を傾けることで、みえてくることがあるはずだ。特集2は「ウクライナ戦争が変える世界」。今次の戦争は、決して局所的な出来事ではなく、国際秩序そのものを大きく棄損している。ロシアの侵略の背景には何があり、世界はどのように変わっていくのか。山内昌之氏と田中明彦氏の二大論考に加え、ロシア軍事を専門とする小泉悠氏や、ウクライナ人政治学者のグレンコ・アンドリー氏にも寄稿いただいた。そのほか、養老孟司氏の巻頭インタビュー「子どもたちからの『警告』」や、文化人類学者の松村圭一郎氏と直木賞作家の佐藤究氏の特別対談「人類は『欲望の拡張』から脱出できるか」も掲載。